エウセビオス文庫化

エウセビオス「教会史」 (上) (講談社学術文庫)

エウセビオス「教会史」 (上) (講談社学術文庫)

エウセビオス「教会史」 (下) (講談社学術文庫)

エウセビオス「教会史」 (下) (講談社学術文庫)


1986-8年に山本書店から発行されていたエウセビオス著・秦剛平訳『教会史』がこのほど文庫化されました。実は、山本書店版が図書館にありすぐに参照できる状況だったので、上巻が出てすぐには購入しませんでした。が、一か月くらいですぐに下巻が出版され、手にとって少し読んだだけで衝動買いしてしまったのです。


旧版(山本書店版)と比べると、ギリシア語の固有名詞表記が簡潔になり(例:ヘーゲーシッポス→ヘゲシップス)、註が見開き頁左の欄外註だったものから、巻末にまとめられるように。活字や字組の変更も当然あり、何より持ち運びできる点が良いと思います。あと、「学術文庫版へのあとがき」が(主観的ではあるけれども)すごく面白かった。3頁弱しかないのですが、問題提起があったり、文庫化に対する訳者の素直な喜びが綴られていたり、読者に対する希望が述べられていたり。


こうやって読みやすく手に取りやすい形で本が生まれ変わることで、より多くの人がその本を手に取る可能性が広がるのは、非常に良いことだと思います。岩波文庫だって「読みやすくなった活字」を売りにして再版しているくらいだし。