2010-01-01から1年間の記事一覧

エウセビオス文庫化

エウセビオス「教会史」 (上) (講談社学術文庫)作者: 秦剛平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/11/11メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見るエウセビオス「教会史」 (下) (講談社学術文庫)作者: 秦剛平出版社/メーカー: 講談社発…

東北地方大荒れ+α

今日(12月22日)の大雨は本当にすごかった。大学のキャンパスもあちこちが浸水し、講義棟一階で職員の方々が水を掃き出していたり、生協職員の方々が購買前の水たまりをどうにかしようと働いていたり。帰りのバスも土砂崩れがあって迂回運行していたのには…

古代史研究会

去る12月19日(日)京都大学で開催された、第9回古代史研究会大会に参加してきました。はるばる仙台からの参加ということで朝早く飛行機で向かったのですが、大会の翌日寝不足プラスアルファがたたったのか、見事に体調を崩してしまいました(笑)日頃からも…

ビザンツ

新たに出版されたビザンツ帝国の概説書を読了。ビザンツ 驚くべき中世帝国作者: ジュディスヘリン,井上浩一,足立広明,中谷功治,根津由喜夫,高田良太出版社/メーカー: 白水社発売日: 2010/10/28メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を…

『ギリシア』後のギリシア

東北学院大学オープン・リサーチ・センター公開講演会「『ギリシア』後のギリシア〜帝国支配下のアテネ〜」に参加してきました。講演者の一人が新幹線の運休のため遅れる、というアクシデントはあったものの、時間内にご到着、無事にお二方の講演を聴くこと…

ティロ式記号

昨日テレビ朝日の情報バラエティ「シルシルミシル」(リンク先は公式サイト)のなかで、「速記記号はローマに始まる」との情報がありました。そういえば聞いたことがあったので、研究の息抜きがてら、ちょっと調べてみました。 「速記」(wikipedia)に用い…

ポンペイ続報

11月16日のエントリに書いたポンペイ遺跡崩壊の悲しむべき続報が… ポンペイ遺跡、また崩壊 「雨が原因」と政府(47NEWS) 緊急対策が講じられようとしていたようですが、間に合わなかった、というか遅かったようですね。「またまた」が無いことを祈ります。 …

ローマ時代の伝染病

ちょっと前のニュースですが(新しくないのにニュースとはこれいかに)、中世ヨーロッパで猛威を振るったペストの起源が中国にあるとの説が発表されました。ペストは中国が起源、シルクロード経て世界に拡散 国際研究各国の研究者たちが集まって、ペストの起…

遺跡保存の問題

今月上旬、イタリアはポンペイ遺跡で大変な出来事がありました。(以下はニュースサイトへのリンク) ポンペイの「剣闘士たちの家」倒壊、伊政府に非難集中ポンペイ、遺産崩壊で不信任も 閣僚の責任追及イタリアの歴史的建造物に倒壊の危機、NGOが警鐘記事に…

「名は体を表す」

誰でも知っている(であろう)『ハリー=ポッター』シリーズ。ついに映画も最終作が公開ということですが、自分は原作も映画も途中までしか読んでいないし、観ていません。研究の合間の息抜きに、映画を観たいなぁ、というこのごろ。 ところで最近知ったので…

海外大河ドラマ?

授業の一環として、BBCで制作された古代ローマのドラマを見ました。BBCで制作されたローマのドラマというと、こちらの連続ドラマもありましたが、今回見たのは違うドラマです。(リンク先はそれぞれBBCワールドワイドジャパン、wikipedia) 第一話…

ここ2週間ほど

邦語の古代史関連文献を収集しつつ目を通すことが多かったです。後輩の研究発表、古代マケドニア・ギリシア史の集中講義があったので、その基本知識習得、確認が目的でした。「古代史」で一括りにされてしまう分野とはいえ、僕の対象とする時代とは、場合に…

ゾナラスの年代記

書籍メモ。The History of Zonaras: From Alexander Severus to the Death of Theodosius the Great (Routledge Classical Translations)作者: Thomas Banchich,Eugene Lane出版社/メーカー: Routledge発売日: 2009/02/17メディア: ハードカバー クリック: 1…

しおり

古い基本文献で図書館にあるものは何度も借りたり返したりを繰り返すものですが、今日も今日とて図書館で基本文献を手に取り、何気なく開いてみたら僕が使用していた「しおり」が…挟まっていました。 挟んだまま忘れて返却してしまったのでした。そう考えて…

アンミアヌス=マルケリヌスと元ネタ

このところ研究会での発表、論文執筆で忙しかったです。とりあえず一段落ついた感があるので、この本を読んでいます。Ammianus Marcellinus: The Allusive Historian (Cambridge Classical Studies)作者: Gavin Kelly出版社/メーカー: Cambridge University …

教会史

書籍メモ。From Nicaea to Chalcedon: A Guide to the Literature and Its Background作者: Frances Margaret Young,Paul Parvis,Andrew Teal出版社/メーカー: SCM Press発売日: 2009/12/18メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る著者の…

「一冊でわかる」シリーズ

岩波書店から出ている、「一冊でわかる」シリーズ。ローマ史関係でも何冊か出ていますが、今年初めに出ていたこの本を最近になってようやく読みました。ローマ帝国 (〈1冊でわかる〉シリーズ)作者: クリストファー・ケリー,藤井崇出版社/メーカー: 岩波書店…

コンスタンティウス2世の性格

今日午前中に読んだ論文:Nutt,D. C."Silvanus and the emperor Constantius II" Antichthon 1973 VII pp.80-89. 前回とりあげたシルヴァヌスの反乱について、その原因を検討した論文です。かなり古い論文で、すでにその部分部分に反論が加えられていたりも…

「アジール論」

4世紀の歴史家アンミアヌス=マルケリヌスに次のような一節があります。「混乱した状況にはよくあることだが、兵士たちは門番兵を斬り倒したことで一層興奮した。彼らは宮廷に押し入って、シルヴァヌスを小部屋から引きずり出した。彼は恐怖からそこに避難し…

ヨウィアヌス帝の即位

昨日読んだ論文:Noel Lenski,"The Election of Jovian and the Role of the Late Imperial Guards",Klio 82, pp.492-515. ヨウィアヌスという、ユリアヌス以降テオドシウスまでのマイナーな(失礼)皇帝たちのなかでも一際マイナーな皇帝の即位についての論…

続「アンティオキアのヨハネス」

前回書いた「アンティオキアのヨハネス」ですが、結局事典類を当たってみたところ、やっぱり少し物足りない結論しか得ることができませんでした。『オックスフォード版ビザンツ学事典』によれば、「…様々な写本に抜粋された多数の歴史叙述にその名が見られる…

「アンティオキアのヨハネス」

今5世紀の史料について調べなければいけなくて、いろいろと文献を漁っています。西洋古代史史料について、とりわけ今調べている5世紀の史料に関して日本語で読める文献を見つけることができなかったので、英語の文献をとりあえずあたっているところです。で…

訳語の問題

一仕事区切りがついたので、途中まで読んでいて止めていたハドリアヌス帝についての訳書を読了。ハドリアヌス帝―文人皇帝の生涯とその時代 (文庫クセジュ)作者: レモンシュヴァリエ,レミポワニョ,Raymond Chevallier,R´emy Poignault,北野徹出版社/メーカー:…

キリスト教とローマ帝国

前回と同じような見出しですが、東北学院大学で行われた『ヨーロッパ文化研究所公開講演会 初期キリスト教のアイデンティティとローマ帝国』に参加してきたので、それは仕方ないことなのです。今回は宮城学院学院長松本宣郎先生による講演で、初期キリスト教…

教会と国家

昨日東北学院大学で行われた「オープン・リサーチ・センター公開講演会 古代末期から初期中世における宗教と国家 ―ローマ・フランク・イスラーム― 」に参加してきました。詳細はリンク先のページにありますが、後期ローマ帝国・フランク王国・イスラームとい…

コンスタンティウス2世の伝記

Constantius II. und seine Zeit: Die Anfaenge des Staatskirchentums作者: Pedro Barceló出版社/メーカー: Klett Cotta Verlag発売日: 2004/03メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る僕が今研究対象としている4世紀のローマ帝国では、コ…

ブルクハルト再読了

週末用事があって帰省したのですが、移動時間を利用して以前(2010/6/3)紹介したブルクハルト著『コンスタンティヌス大帝の時代』を再読了しました。3年前とは違った理解ができたらいいな、というのが目標だったのですが…前回は何もわかっていなかったんだな…

帝国の滅亡とアッティラ

今日届いた本を一冊。The End of Empire: Attila the Hun and the Fall of Rome作者: Christopher Kelly出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc発売日: 2010/06/14メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るクリストファー=…

今日の雑記

今日ひさしぶりに献血に行ってきました。成分献血で、血小板。ほんとにひさしぶりだったし、成分献血は初めてだったので緊張してしまい、顔にでてしまったらしく担当の方に心配されてしまいました(笑)テレビを見ながらだったのですが、ちょうどケーブルテ…

「簒奪者」あるいは「暴君」

今日読んだ論文:Wardman,Alan,E."Usurpers and Internal Conflicts in the 4th Century A.D.",Historia bandXXXIII heft1,1984.表題の通り4世紀における「簒奪者」や内乱について扱った論文…なのですが、期待した内容とはちょっと違っていました。4世紀にロ…