Romans, Barbarians, and the Transformation of the Roman World
楽しみにしていた本がようやく届きました。
- 作者: Danuta Shanzer,Ralph W. Mathisen
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2011/03/28
- メディア: ハードカバー
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2005年に開催された「古代末期における境界変動(Shifting Frontiers in Late Antiquity)」第六回学会の成果として刊行された書籍です。計25本の論文が収録されており、とりあえず一本だけ読んでみました。
Kimberly Kagan, 'Spies Like Us : Treason and Identity in the Late Roman Empire'
(私たちのようなスパイ:後期ローマ帝国における反逆罪とアイデンティティ)
4世紀中葉のローマ帝国におけるスパイ行為はアイデンティティを動機としていたかどうか、という問題設定のもと、主にアンミアヌス・マルケリヌス史料を用いて、対ササン朝ペルシアと対ゲルマン人の事例を検討しています。結論として、ローマ人がササン朝ペルシアに寝返ってスパイ行為をおこなう(またはその逆)場合は、何らかのやむを得ない事情(自国で政敵に訴えられて亡命、敵国に人質を取られるなど)によっており、基本的には裏切り行為はおこなわれない、とされます。これに対し、ローマ人とゲルマン人の場合では、ローマ軍に仕えるゲルマン人兵士が軍事作戦をゲルマン人に伝えるなど、簡単に裏切る傾向が見られる、とされます。
この書籍の詳細については出版社ホームページで見ることができます。