リウィウスの話
ようやく東北にも春が来るか、と思っていたら、今日は雪が降りました(涙)まだまだ寒いです。大学へ向かう途中の道では、咲きかけていた梅の花に雪が積もり、それを写真に撮っている方がいらっしゃいました。
さて、最近は研究室の友人らとリウィウス『ローマ創建以来の歴史』を最初から読んでいます。ラテン語の学習が主な目的ですが、読解に必要な知識は身につけておこうと思い、いろいろとリウィウスについて調べてみました。その中でも、リウィウスの第一巻に関係するものとして、この本を読みました。
- 作者: 松田治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/11
- メディア: 文庫
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この文庫版の発行は2007年ですが、原著は1980年のもの(『ローマ神話の発生』社会思想社)ということで、かなり古い本ではあります。僕はあまり初期ローマのことはわからないので、この方面での研究の進展についても良く分からないのが正直なところです。なので、読みやすそうなこの本をとっかかりとして選んでみました。ただ、この本は実際にはリウィウスを主に扱っているわけではないので、リウィウスを読むためというよりも、初期ローマ、とりわけ題名が示すように、ロムルス伝説について知るための本になりました。また、ロムルス伝説の真偽性や、史実についての議論だけではなく、その伝説自体が持つ意味、解釈についての話も多かったです。とはいえ、そういった伝説や伝承がどのような歴史を辿り発展していったか、という観点から読むこともできるかもしれません。
個人的には、ロムルス伝説だけではなく、初期ローマの宗教・儀式の話や、狼関連のことわざの話、語源の話など、さまざまな知識を得ることができ、かなり満足しています。狼のことわざをひとつ抜き出してみるなら、「『話の中の狼』(lupus in fabula, in sermone)。狼(人)の話をしていると、まさにその狼(人)が現われるという状況をさすので、これは『噂をすれば影がさす』に当る。」(99-100頁)…「曹操の話をすると曹操が現れる(説着曹操、曹操就到)」を思い出してしまいました。
しかし思えば、肝心のリウィウス関連がおろそかに(汗)こちらはいくつか論文をあつめたりもしてみましたので、これから読んでみようと思います。