ローマ時代の伝染病
ちょっと前のニュースですが(新しくないのにニュースとはこれいかに)、中世ヨーロッパで猛威を振るったペストの起源が中国にあるとの説が発表されました。
各国の研究者たちが集まって、ペストの起源がヨーロッパのはるか東、中国で生まれ拡散していったことが示されたようです。このニュースを聞いて思い出したのは、かの『自省録』で有名なマルクス=アウレリウス帝の時代、ローマの東に存在したパルティア王国(現在のイランにあった国)からローマ軍が伝染病を持ち帰り、ローマでもまん延したとの記事。(『ローマ皇帝群像』(Scriptores Historia Augusta)「ウェルスの生涯」八節)同じ東からということで、妙に納得してしまった。
しかしよく考えてみると、もしかしたら、逆に西から東へともたらされた病気もあったんじゃないだろうか。東西「交流」というからには、東から西へと、一方的に伝わるばかりだったはずがないと思ったり。
- 作者: アエリウススパルティアヌス,南川高志
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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