遺跡保存の問題

今月上旬、イタリアはポンペイ遺跡で大変な出来事がありました。(以下はニュースサイトへのリンク)
ポンペイの「剣闘士たちの家」倒壊、伊政府に非難集中

ポンペイ、遺産崩壊で不信任も 閣僚の責任追及

イタリアの歴史的建造物に倒壊の危機、NGOが警鐘

記事によれば、世界遺産でもあるポンペイ遺跡のうち、「剣闘士の家」という建物が6日までに倒壊してしまったとのこと。剣闘士が住んでいたというわけではなく、剣闘士の訓練場として使用されており、壁には軍隊の絵も描かれていたそうです。写真を見てみると、一部が崩れたとかいうレベルではなく、まさに「倒壊」という惨状を呈しています。僕は海外経験が無いので当然実物を見たこともないのですが、貴重な遺跡の崩壊は残念でなりません。


日本でも近年キトラ古墳(リンク先はwikipedia)の保存問題が取り沙汰されました。人目に触れず1,000年以上保存されていた壁画が、現代になって再発見されてから短い間に激しく劣化してしまったという事実は、遺跡はいかに保存されるべきかという問題につながっているようにも思います。もちろん遺跡の保存には大きなコストと時間がかかりますし、それを誰がおこなうべきか、という問題もあります。軽々しいことは言えないのですが、歴史研究に関わろうとしている一人として、考えておくべき問題の一つだろうと思いました。