Mark Edwards(trans. and ed.), Optatus: Against the Donatists (Translated Texts for Historians 27), Liverpool: Liverpool University Press, 1997.

Optatus: Against the Donatists (TRANSLATED TEXTS FOR HISTORIANS)

Optatus: Against the Donatists (TRANSLATED TEXTS FOR HISTORIANS)

目次はLiverpool University Pressの頁参照。

古代末期の様々な史料を英訳し提供し続けているTranslated Texts for Historiansシリーズ の27冊目。このシリーズ、日本ではなかなか手に入りづらかったりする(全巻揃えている図書館は無いのでは?)のだけれども、そういう本に限って重要だったり必要だったりするので、これは、というものがあったらなるべく購入するようにしている。ハードカバー版とペーパーバック版があり、後者ならまあまま手に入れやすい。古いものについても、たまに重版がかかるので、そういう機会を見逃さないように。

今回入手したオプタトゥスの著作は、紀元後4世紀の北アフリカを席巻したいわゆる「ドナティスト論争」の重要史料。ドナティスト論争についてはアウグスティヌスが何よりもまず重要なのだけれども、論争の初期段階を知るにはこちらが必要。それにこの英訳には、オプタトゥスの著作のみならず、「大迫害」時の審問記録である「ゼノフィルス尋問調書」や、コンスタンティヌス帝がドナティスト論争に絡んで出した書簡などの英訳もついているので有り難い。