教会と国家

昨日東北学院大学で行われた「オープン・リサーチ・センター公開講演会 古代末期から初期中世における宗教と国家 ―ローマ・フランク・イスラーム― 」に参加してきました。詳細はリンク先のページにありますが、後期ローマ帝国フランク王国イスラームという三つの「国家」を対象に、それぞれの宗教との関わり合いを見てみよう、というものでした。僕としては研究対象が同じ後期ローマ帝国の行政についてやはりいくつか思うところがあったのですが、もちろん他の二つに関しても多くのことを学ぶことができて有益でした。


感想としては、やはり現代に生きる我々は、どうしても「国家」と「教会」という思考の枠組みで考えてしまっているのかもしれないな、ということ。表現するのも難しいのですが、当時生きていた人々のなかにそういう概念があったかどうか。そもそも「世俗」と「神聖」の境界ってなんなのか。などなど…哲学とか宗教とか苦手なんですけど、後期ローマ帝国をやってる限りいつかは挑戦しなければならないテーマなんだろうな。いままで唯一読めた哲学書マルクス=アウレリウス=アントニヌス著『自省録』だけです。

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

意外と俗なことも書いてあったりするのが楽しいです。たとえば、第五巻第一節。
「明けがたに起きにくいときには、つぎの思いを念頭に用意しておくがよい。『人間のつとめを果たすために私は起きるのだ。』」
神谷美恵子訳)
ローマ皇帝ともなると、朝からプレッシャーも大きいんですね。