吉村忠典『支配の天才ローマ人』
- 作者: 吉村忠典
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 1981/07/30
- メディア: 単行本
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【目次】
まえがき
序章:「地中海支配」確立の時代
共和時代、帝政時代を通じての「支配」/ローマ共和政の古典時代
I:「自由」なる貴族政治
モムゼンの「ローマ国法」をめぐって/元老院こそ支配者なり/ローマ人の公生活の基礎は「祖先の遺風」/王者のつどい‐元老院の威光/元老院議員になる条件/「ノーブル」な貴族/イタリアのエリート/イタリア出身のローマ名門/一体化を進めるイタリア、ローマの上層部/ローマ旧貴族の名門/派閥の対立/護民官の起源/体制内化した護民官/パトロネージの歴史/「自由」なパトロネージ/被征服民のパトロネージ/賓客関係/パトロネージの広がりと民会の空洞化/イタリアとローマの蜜月時代/「ローマ人」と「イタリア人」/貴族のイデオロギーとしての「自由」/自由と権威/民衆には飴と「自由」を
II:活躍する「第一人者」たち
「遷延家」ファビウス/ローマのヘレニズム化とファビウス氏の役割/大スキピオの海外パトロネージ政策/ヌミディア王マシニッサの賭け/コルネリウス氏とイタリア
III:ギリシアの「自由」
イリリア戦争/西方の暗雲/第一次マケドニア戦争前後/第二次マケドニア戦争始まる/将軍フラミニーヌスの活躍/ギリシアの自由の宣言/スパルタ王ナビス/ナビス戦争/「自由」をめぐるギリシア人とローマ人とのずれ/フラミニーヌスの凱旋/合法性と暴力性のあいだ/ローマ的自由への反抗
IV:「自由」からの解放を求めて
アンティオコス大王の動き/「変革」派と保守派‐経済的背景/民衆と指導者たち/親ローマ派と反ローマ派の対立/大王のバルカン上陸/将軍グラブリオの圧勝/エーゲ海での葛藤/スキピオ兄弟の登場/アイトリア同盟の降伏/大スキピオの失脚/大カトーの政治的・文化史的役割
V:「自由」の凱歌
アカイア同盟とスパルタ/スパルタの変革勢力の動き/カリクラテスの演説/きらわれた親ローマ派/ローマの外交と元老院/元老院主席レピドゥス/レピドゥスの業績‐建築ブーム/晩年のフィリッポス五世/ローマに敵視されるペルセウス/第三次マケドニア戦争起こる/ローマの勝利/勝利者の権威/ロドスの衰運/デーロス島の繁栄/イタリア商人の進出/神々の諸派閥
IV:「自由」の名による支配
ローマの傘のもとに/ヘレニズム世界の無力化/ローマ帝国の原型/第四次マケドニア戦争/プロヴィンキア/アカイア同盟の離反/アカイア戦争‐ローマの圧勝/アカイア戦争後のギリシア/貧民と富裕者の対立強まる/カルタゴの破壊/カルタゴを滅ぼしたスキピオ
VII:「自由」の遺産
グラックス兄弟/支配から統治へ/「不法取得返還」訴訟/「名誉ある」被支配国民/皇帝の先駆者
あとがき